対人恐怖症を改善する森田療法とは?
森田療法とは、1919年に森田正馬博士により創始され、昭和になって高良武久博士が発展させた恐怖症などに対する治療法のことです。現在では、国内だけでなく、中国を中心として世界的に活動が行われています。 森田療法の基本となる部分は、症状に囚われることなく、事実を事実として正しく認識し、全てを受け入れる「あるがまま」の状態になることです。不安や恐怖があっても、それを無理に消し去らず、あるがままの自分を受け入れる、これができた時に囚われからも解放され、生きて行く意欲が湧いてくる、というものです。森田療法は通常、入院して治療が行われることが基本となっており、次のようなスケジュールで進められます。
・食事とトイレ以外はベッドの上で過ごす絶対安静期
・規則正しく、外界に触れるなどを行う軽作業期
・睡眠時間以外は、ほとんど趣味などの何らかの活動を行う重作業期
・日常生活に戻れるように社会生活訓練を行う退院準備期
以上の過程を、通常でしたら約1ヶ月間かけて行います。けれど、このような治療法では、まとめて休日を取らなければならないというデメリットがありますよね。ですから、最近では、日記を付けることを重点においた通院による治療法が中心となりつつあるようです。どちらにしても、森田療法を行って対人恐怖症を克服するまでには個人差があり、数十日〜数年とかなりの開きがあるでしょう。また、入院費用に健康保険が効きませんので、治療を受ける際には事前に予算をきちんと立てておく必要があります。